「年収が高ければ結婚できる」わけではない?
婚活男女のみなさんは、結婚する相手に「これだけは譲れない」という条件はあるでしょうか?
国立社会保障・人口問題研究所の出生動向基本調査では、18~34歳までの独身者に対して「結婚相手の条件として重視・考慮するポイント」を聞いています。男女ともに共通するのは、「人柄」「家事・育児の能力」「共通の趣味」などですが、男女で傾向が正反対となる条件があります。
女性側が男性に求める条件として多いのは「経済力」ですが、男性側が女性に求める条件として多いのは「容姿」です。つまり、結婚相手に女性は男性の経済力を求め、男性は女性の容姿を求めるわけです。
そんなことは当たり前の話だと思うことでしょう。以前、<「年収500万円の星野源似」を“普通の男”と考える婚活女性の悩ましさ>という記事で書いたように、婚活の現場では、女性が男性の年収条件にこだわるあまり、結果的に誰ともマッチングできない事態が発生しています。
そういう傾向は、当然、婚活男性にも大きく影響し、「金がなければ結婚できない」という言説もまことしやかに流布されています。だからといって、経済力さえあれば男性は結婚できるのか、といえばそうとも限りません。
「共通の趣味」以上に「男性の容姿」を求める割合は高い
出生動向基本調査の経年推移をみると、この「結婚相手の条件」について、おもしろい傾向が読み取れます。近年、女性が男性に求める条件の中で「男性の容姿」を重視・考慮する割合が急速に伸びているのです。1992年時点、男性の容姿を重視・考慮する割合は67.7%でしたが、それが2015年には77.7%と10ポイントも増加しました。
従来、約8割という高い数字だった「共通の趣味を持つ」という条件が2015年では74.9%ですから、「共通の趣味」より「男性の容姿」の重要度が逆転したということを意味します。ちなみに、「男性の経済力」の重要度は2015年も93.3%と相変わらず高いままです。
男性は、経済力はもちろんのこと、それに加えて「容姿」まで気を遣わないといけない時代になってしまったのでしょうか。いいえ、そうではなく、もともと男性の経済力と容姿は密接に関係しているのです。