「容姿が良い」人の年収は「劣る」人より17%高い

アメリカのテキサス大学オースティン校のダニエル・S・ハマーメッシュ教授の著書『美貌格差 生まれつき不平等の経済学』(東洋経済新報社)によれば、容姿を5段階評価で区分した場合に(5が最高、3が平均)に、男性の場合、「5と4」の「容姿が良い」人の年収は「2と1」の「容姿が劣る」人と比べ、17%高いことが判明したそうです。

女性でも同様に12%高いのですが、男性の方がより容姿の影響が大きい。17%というとたいした違いはないような気もしますが、生涯賃金で比較すると大きな差になります。

厚労省の賃金構造基本統計調査の「退職金を含めない学歴別生涯賃金比較」によれば、大企業に就職した大卒男性の生涯賃金は約3億1000万円。これより17%低い生涯賃金は約2億6500万円になります。生涯で4500万円も違うとなるとこれは大きいのではないでしょうか。しかも、偶然にも、高卒大企業組の生涯賃金が2億6000万円なので、容姿の良しあしで大卒と高卒ほどの差が生まれるということになります。

仕事のテーブルで互いに挨拶する若者たち
写真=iStock.com/YurolaitsAlbert
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ハマーメッシュ教授の調査は、アメリカ以外でも、オーストラリア、カナダ、イギリス、中国(上海)などでも実施され、すべて同様の結果が出たそうです。しかし、日本での調査はされていない。というわけで、一都三県の20代から50代の未婚男女(n=10595)に対して行った私の調査結果をご報告しましょう。

「容姿に自信がない日本人男性」の実態

「自分の容姿に自信がある」かを、5段階評価(5がとても自信あり、1が自信なし)にて自己採点をしてもらいましたが、結果は、見事なまでに、容姿に自信のある男性ほど年収が高いという結果になりました。具体的には、容姿4~5評価の20~50代未婚男性の平均年収は約503万円、容姿1~2評価の場合は約430万円。その違いは16.8%で、ハマーメッシュ教授の調査結果と完全に一致しました。

このように、男性の容姿と経済力は海外でも日本でも密接な関係があります。とはいえ、恋愛や結婚という分野における容姿の重要性は、男性より女性の方が高いのではないか? というご指摘もあるでしょう。容姿と経済力の両方を併せ持っている男性がモテるのは当たり前で、「容姿抜群で経済力皆無の貧乏男」と「容姿には難ありだが稼いでいる男」となら後者の方がモテるだろう。そんな印象もあるかと思います。