スマホ完結型のデジタルバンク「みんなの銀行」
一方で、明るい話題もあります。スマホ完結型のデジタルバンクを日本の銀行でも提供する動きがあるからです。2020年12月にふくおかフィナンシャルグループから発表された「みんなの銀行」です。
一部の手数料の高さは別にしても理念としては素晴らしいサービス内容で、まさしくデジタルバンク。おそらく日本で初めての、これからのトレンドとなるスマホ完結型の金融サービスを提供するアプリだと評価しています。
地銀がこのようなアプリを開発したことも、これからの日本の金融業界においてとても意義のあることだと思いますし、他の地銀は大いに参考になることでしょう。すべての地銀を変革するのは大変ですから、おそらくそのあたりのことを考えた上で、金融庁も従来の銀行法を改めて見直しての、今回のトピックだと私は捉えています。
いずれにせよ、ふくおかフィナンシャルグループの「みんなの銀行」のようなスマホ完結型の銀行アプリが、この先のトレンドになります。
ATM、店舗、窓口の行員――すべてが消える
現在の銀行の実店舗で行われている各種サービス。具体的には、入金や送金、各種ローンサービス、投資相談、ATMでのサービスも含め、これらオフラインのサービスはすべて、フィンテック企業のサービスが置き換えようと挑戦してきます。
言い方を変えると、これまで人が介在することで行われていた各種手続きや審査は、すべてAIによるオンライン上で完結するようになります。つまり、あらゆる銀行業務がスマートフォンで完結するようになる。これも、メガトレンドの一つだと言えます。
スマートフォンですべての銀行業務が完結するようになると、店舗は必要なくなります。支払うお店や相手がすべて電子マネーに対応していれば、当然、ATMも必要ありません。
駅前の一等地に店舗を構えていること自体、かなりのコストがかかっていますし、窓口対応を待っている時間、待っている人の整理や対応を行っている人員のコストなど、改めて現在の銀行が行っているサービスは、負担が大きいです。
これらの負担すべてが解消されるのが、これからのトレンドです。店舗がなくなれば空いた土地を有効活用することができますし、銀行にとっても家賃コストが減り、浮いた分をよりお客様が使いやすいスマホアプリの開発に回すことができる。