※本稿は、山本康正『銀行を淘汰する破壊的企業』(SB新書)の一部を再編集したものです。
GAFAにとって金融サービスは食い扶持ではない
既存の銀行が行っているサービスならびに、同じく既存の証券・保険会社が行っている各種金融サービスは、時間の差はあるでしょうが進化しなければGAFAなどのテクノロジー企業によって淘汰されていきます。
今後、金融の世界には3つのメガトレンドが生まれるでしょう。それぞれ紹介していきます。
1つ目のメガトレンドが「銀行の各種手数料はすべて無料になる」です。なぜ、無料になるのか。大きくは2つの軸があります。
まずはGAFA。彼らは既存のサービスラインがあり、そちらで莫大な利益を得ていますから、金融サービスはあくまでユーザーの囲い込みが目的です。
言い方を変えると、宣伝費、サービスのような感覚です。金融サービスが本業であり、それが食い扶持の銀行にとっては、脅威になるのは当然と言えます。
銀行が手数料を取っていたのは、一昔前は各種業務がそれなりにコストがかかっていたからです。国際送金や為替などはいい例です。
しかし昨今のテクノロジーを使えば、簡単に行えるわけですから、いつまでも手数料ビジネスを行っている時代ではありません。
フィンテックベンチャーが次々と現れている
もう一つはスマートフォンでの事業ローン完結サービスなど、既存の金融サービスにはなかった新たなサービスを提供することで、従来の銀行の収益柱であった手数料に依存することなく、ビジネスを展開していくフィンテックベンチャーが次々と現れている点です。
この流れこそ、現在のトレンドと言えるでしょう。中には市場価値が1000億円以上のユニコーンに成長するベンチャーも少なくありません。
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