聖火リレーが走っていても、3分の1は「中止すべき」
NHKが4月9日から3日間行った世論調査では、70%の人が「緊急事態宣言を出すべきだ」と回答している。また、「東京オリンピック・パラリンピックをどうすべきか」という質問では、32%の人が「中止する」と回答。「無観客で行う」(25%)、「観客の数を制限して行う」(34%)という回答の合計も半数を超えた。「これまでと同様に行う」と答えた人はわずかに2%だった。聖火リレーが走っている段階になっても、3分の1は「中止」すべきだと考え、そのほかの多くの人も、大会の形を従来とは違ったものにしないと開催できない、と考えているわけだ。
これに政府はきちんと答えていない、ということだろう。
オリパラのために緊急事態宣言を控えているのか
新型コロナワクチンの配布は高齢者3600万人への接種分は6月末までに行うと明言した。470万人の医療従事者の接種は5月には終わると政府は言っているので、合わせて約4000万人の接種がオリンピックの開会式前に行われることになる。逆に言えば、過半の国民はオリンピック前には接種が終わらない、ということになる。つまり、ワクチン接種で新型コロナを抑え込んでオリンピックを迎える、というシナリオはもはや想定できないことになる。
だとすると、どんな形で実施するのか。「新型コロナの1日の感染を何人以下に抑えた場合は観客を入れて開催する」「いつ時点で何人を超えた場合には無観客で開催する」、さらには「何日前に、どういう条件に該当したら、大会を中止する」といった明確な基準を示すことをしなければ、国民は本当に納得して、オリパラ開催を楽しめない。
緊急事態宣言を頑なに発出しないのは、オリパラを何としても実施したいからだ、と見えてしまうところに今の政権の対応のマズさが見える。