中国には「理想論」は通用しない
朝日社説は「民主主義や法の支配などを重んじるバイデン政権と、権威主義を強める共産党体制との間には、埋めがたい溝がある」と指摘し、最後にこう主張する。
「米国は、日豪印とともに集う4カ国の首脳協議を模索しているという。新たな試みではあるが、中国を封じ込めるような冷戦思考であってはなるまい」
「民主主義と人権の原則を共有するアジア太平洋の主要国が、中国を巻き込みながら穏健な秩序づくりを主導する。そのための周到な外交努力が、米国並びに日本にも求められている」
「中国を封じ込めるような冷戦思考」ではなく、「中国を巻き込む穏健な秩序づくり」。実に聞こえのいい主張だ。朝日社説の好む理想的な訴えである。
だが、中国の習近平国家主席にはこんな思考は通じない。習氏は表面的に「対話と協力」を求めて国際社会にアピールし、頭の中は一党独裁体制の維持しかないのである。朝日社説はどうしてそれが分からないのか。