ブレグジットとは何だったのか

ブレグジット(イギリスのEU〈欧州連合〉離脱)が、2020年12月31日の23時をもって完了した。21年1月1日からイギリスはEUのルールに縛られない。

英国とEUの自由貿易協定に署名したボリス・ジョンソン英首相(2020年12月30日)。
英国とEUの自由貿易協定に署名したボリス・ジョンソン英首相(2020年12月30日)。(時事通信フォト=写真)

イギリスが国民投票でブレグジットを選択したのは16年。離脱交渉はイバラの道だったが、何とかEUとの離脱協定に合意して、20年1月31日にイギリスはEU離脱を確定。その後、EUとの新たな貿易ルールを決める交渉も難航して、移行期間の年内に決着しなければ、何の取り決めもないまま「合意なき離脱」もやむなし、という見方もあった。しかし、交渉期限が残り1週間に迫った12月24日、イギリスとEUの通商協定が合意に達し、12月31日の移行期間終了を迎えたのだ。

通商協定の詳細は1000ページ以上にわたる契約書をマスコミも十分に消化し切れていないので、まだ明らかになっていないとみていいだろう。貿易に関しては21年1月以降も全品目で「関税ゼロ」が5年間は維持されることになった。ただし通関手続きは必要で、これまでのように物資がノンストップで国境を行き来することはできない。