適度な「負荷」でより遠くまで導いていく

個人の目標は、いまできることの「少し上」に設定すべきです。そうすることで、いまとの「差」が生まれ、それを埋めようと努力します。そうして目標をクリアしたら、また「少し上」に設定する。その繰り返しです。

安藤広大『リーダーの仮面――「いちプレーヤー」から「マネジャー」に頭を切り替える思考法』(ダイヤモンド社)
安藤広大『リーダーの仮面――「いちプレーヤー」から「マネジャー」に頭を切り替える思考法』(ダイヤモンド社)

そうやって適度な負荷を与え続けることが、リーダーの役目です。まったく無理な目標であれば、最初から諦めてしまいますが、ちょっと頑張れば届きそうだと思えば、人は力を出します。

たとえば、筋トレやマラソンは、初日に頑張りすぎてしまうと、体を痛めて続かなくなります。

「もうちょっと頑張れば、まだできそうだけど、ここでやめとこう」

そう思える限界の手前までを、毎日続けることが、継続のコツです。そして筋力がつき重いものを持ち上げられたり、より長い距離を走れるようになります。

仕事も同じです。長期的に成長していくためには、「もうちょっと、もうちょっと」を日々、積み重ねることです。そのための「いい緊張感」をつくるのが、リーダーの仕事であり、リーダーの仮面の力です。

ちなみに、長く大企業にいる人のほうが、「間違った恐怖」を抱きがちです。そう簡単には潰れない大企業に勤めている人は、社内の人間関係を気にしがちです。

逆に、いつ潰れてもおかしくないような会社では、「社員の仲がいいかどうか」は気にしません。ヘタに安心感があり、ぬるま湯の中にいる人ほど、まわりと仲よくやっていないことに、つい「恐怖」を感じてしまうのです。

しかし、それは本来、感じる必要のない怖さであり、もっと未来に恐るべき「恐怖」があることを認識しておかなければいけません。

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