歴史上の人物には2つのタイプがいる

長く豊かな人生を送った渋沢さんが永眠したのは、1931(昭和6)年、91歳のときでした。

渋沢さんは、実業家の顔だけではなく、社会活動家の顔、民間外交を推進する顔など複数の顔をお持ちでした。その姿は、ある意味で、映画監督の顔、ニュース番組コメンテーターの顔を持つビートたけしさんや、サブカルの顔、教養を語る顔を持つタモリさんを見ているようです。

ビビる大木・著『ビビる大木、渋沢栄一を語る 僕が学んだ「45の教え」』(プレジデント社)
ビビる大木・著『ビビる大木、渋沢栄一を語る 僕が学んだ「45の教え」』(プレジデント社)

幕末好きな僕にとって、幕末の志士たち、あるいは僕が尊敬する吉田松陰先生、ジョン万次郎さんを知ることで幅が出てきたように、渋沢さんに関心を持つことで、「50代、60代、70代になっても、この仕事を続けていくためのヒントをもらえた」と思うようになりました。

ジョン万次郎さんや渋沢栄一さんの生き様を知ることで、歴史には二つのタイプの人間が存在することを痛感しました。それは、幕末の志士たちのように、切った張ったの命のやり取りをしながら歴史を前に進める人間、「刹那に生きる人間」というのでしょうか。

そういう人間と、そうした男臭い、生臭い生き様はありませんが、着実に明日を構築することができる人間、「明日を創造する人間」です。この両者の交差点によって歴史は動いていくと、僕は実感しています。

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