サムスン電子会長の死去で、思わぬ好機到来か
一方で、このタイミングに、予期せぬ大きな出来事が飛び込んできた。
サムスン電子をその強烈なカリスマ性と果敢な積極投資で半導体、スマートフォンなどで世界トップ級のIT企業に飛躍させた李健煕(イ・ゴンヒ)会長が10月25日に死去したとの報せだ。
李健煕会長は長期療養中だったことから経営の実権はすでに長男の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長が握ってはいる。だが、健煕会長がいなくなったことで強みだったスピード経営が当面、混乱する可能性もある。
これは転機を迎えたキオクシアにとってはある種の好機でもある。
世界の半導体企業はここにきて、米アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)がザイリンクスを、エヌビデアがソフトバンクグループからアームを、それぞれ買収して最強インテル追撃を目指すなど再編劇が加速している。
それだけに積極投資を怠ってしまえば淘汰も余儀なくされるとの危機感がキオクシアの巨額投資への背中を押したことは間違いないのだが……。