新型コロナウイルスによるポジティブな変化

新型コロナウイルスによる様々な変化はネガティブに語られがちですが、こうして新たなビジネスチャンスの可能性が見えてくるなど、ポジティブな側面もたくさんあります。

今回巻き起こった一連の変化や混乱には、ある共通項が存在すると、私は見ています。

それは「デタッチメント(離れること)」です。

今までの仕事から離れる。今まで住んでいた場所から離れる。今まで一緒にいた人から離れる。これらのデタッチメントが起こった理由はシンプルで、本来一緒にすべきでないものが一緒になっていたからです。

本当は別の場所に住みたいのに、会社に通うにはこの場所で我慢するしかないと思っていた。共働きで外へ出ているときはよかったが、在宅ワークになったら、パートナーとずっと一緒にいるのが耐えられないと気づいた。

こうした自分の本当の気持ちを見つめざるを得なくなったとき、「これじゃない」と判断した人がデタッチする。これは新たなアタッチメントへの契機になるので、私は非常にポジティブに捉えています。

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写真=iStock.com/baona
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普通にとらわれず、自分の頭で考え始めた

現在、あらゆるところで起こっているデタッチメントは、より良いアタッチメントに向けて、人々が自ら行動を起こした結果です。私は、これは素晴らしい変化だと思います。「普通」に囚われず、自分の頭で考えて行動することはとても大事です。

今回のような難局に直面したとき、自分がなんらかの不利益を被ると、「会社や社会に裏切られた」と考える人がいます。しかし、厳しい言い方をすれば、「自分の思考が浅かったのだ」と考えるべきではないでしょうか。

世の中が言う「普通」に流されて、「会社とはこういうもの」「社会とはこういうもの」と勝手に期待して、その通りにならないと「裏切られた」と言い出す。でも、そうすることを選んだのは、他でもない自分自身です。

もしあなたが今、難しい状況にいるのであれば、「自分は何を間違えたのか」をきちんと考えてほしいと思います。