米国を変えた“RBG”の死と“TIME誌100”選出の意味

アメリカで性別を理由に阻まれていた法の壁を破り、多くの理不尽な法律の改正を促してきた米連邦最高裁判所の判事、ルース・ベイダー・ギンズバーグ氏が2020年9月18日に死去した。この日、私のメールボックスは世界中の友人たちから「悲報を聞いた?」との連絡で溢れた。私はそんな友人たちとともにギンズバーグ氏の喪失を悲しみ、感謝の意を捧げた。

2020年9月18日に死去した米連邦最高裁判所のリベラル派判事、ルース・ベイダー・ギンズバーグ氏。
2020年9月18日に死去した米連邦最高裁判所のリベラル派判事、ルース・ベイダー・ギンズバーグ氏。(CNP/時事通信フォト=写真)

名前の頭文字を取ってRBGの愛称で親しまれた彼女は、アメリカのみならず世界中の人々の英雄であった。RBGは女性が法律を学ぶことがまだ珍しかった1950年代にコロンビア大学法科大学院を首席で卒業した。しかし、女性だからという理由で当時ニューヨークの法律事務所での働き口はなかった。後に大学教授として働き、ジェンダーに基づく人権をめぐる数多くの重要裁判に関わった。

93年に史上2人目の女性最高裁判所判事に指名された。近年では保守化が進むアメリカの最高裁判所においても、リベラルな意見を鋭く打ち出し続けた。最後まで平等のために声をあげていた。