ラグビー、バスケ、バレー……1億円の壁を突破できるスポーツは?

スポーツニュースで報道されることが増えてきたゴルフはどうか。

2019年度の国内賞金ランキングを見ると、男子は今平周吾が約1億6804万円、石川遼が1億3281万円。女子は鈴木愛が1億6018万円、渋野日向子が約1億5261万円と男女とも2人ずつが大台を突破している。

渋野は全英女子オープンの優勝賞金67万5000ドル(約7155万円)を加えると賞金総額だけで2億2416万円。さらに所属先となるサントリーをはじめ、クラブはPINGゴルフ、ウエアはBEAMS GOLF、シューズはナイキなど、様々な会社とスポンサー契約している。

人気選手になれば賞金以上にスポンサー契約料のほうが金額的には大きくなる。ただし、ゴルフの場合は自らキャディを雇い、彼らの交通宿泊費なども負担しなければいけない。プロといえども、スポンサーがつかず、賞金を稼ぐこともできない場合、その懐状況はかなり厳しいものとなる。

国内の人気スポーツでいえば、ラグビーのトップリーグとバレーのVリーグは似たような状況といえるだろう。大半が所属企業の社員選手の扱いだが、両リーグともプロ契約の場合は競技に専念できるだけでなく、年俸も高くなる。

トップリーグでは2017年にキヤノンとプロ契約を結んだ田村優の年俸が約4000万円で最高額だったと報じられている。ラグビー日本代表は昨年のワールドカップで大躍進した。顔を売った選手の中には、メーカーとの契約、CM出演料などを含めて、年収で1億円近く稼いだ者もいると思われる。なお、Vリーグのプロ契約は800万~2000万円ほどが相場だといわれている。

「社員選手」はプロより報酬は少ないが引退後も会社に残れる

社員選手の場合は、昼過ぎまで通常の業務をこなして、その後、練習というパターンが多い。当然、収入も会社員として支払われる。活躍に応じたボーナスがあるので、同年代の社員と比べて、年収は少し高くなることが多い。スポーツ選手の収入面としては恵まれているとはいえないが、引退後も社員として残れるのが最大の強みになる。しかも、サントリー、パナソニック、トヨタ自動車、NEC、富士通、日立などの大企業が大半だ。

一方で、近年、ひときわ知名度と選手の待遇が向上してきたのが日本のバスケットボール界だ。2016年、Bリーグ(ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ)が設立。アマチュア選手とプロ選手が入り混じっているが、ほとんどの選手がプロ契約を結んでいる。

バスケットボール
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B1クラブ所属の日本人選手の基本報酬は平均1610万円だ(最低年俸は300万円、新人選手のみ上限460万円)。そしてスポーツ界を驚かせたのが、昨年、千葉ジェッツに所属する富樫勇樹の年俸が1億円を突破したことだ。Bリーグによると日本人選手の大台突破は初めてで、富樫は出場給などがさらにプラスアルファされるという。

また、同リーグの発表では、昨年11月にはBリーグ所属の日本代表エントリー選手の19~20年シーズンの平均年俸が4540万円に達した。これは、ケガでW杯メンバーから漏れた富樫は入っていない数字。なかなか夢のある収入ではないだろうか。チームが観客を集める工夫を凝らしており、それが選手の報酬にもつながっている形だ。

もちろん、八村塁のようにNBAで活躍すると、ケタが違ってくる。彼の場合は年俸とスポンサー契約で年収は10億円以上になるだろう。