「意見があまり出なかった」という会議を避けるにはどうすればいいのか。プロファシリテーターの園部浩司氏は、「模造紙と付箋を使う『KJ法』という方法なら、全員の意見の洗い出しと整理が短時間で同時にできる」という——。
※本稿は、園部浩司『ゼロから学べる! ファシリテーション超技術』(かんき出版)の一部を再編集したものです。
いい意見はいい問いから生まれる
──重要なことは、正しい答えを見つけることではない。正しい問いを探すことである。
これは、経営の神様と言われるピーター・ドラッカーの名言です。
「会議で意見があまり出なかった」という場合、8割に近い確率で「ファシリテーターの問いの立て方が良くなかった」と言い切れます。意見が出ないと、つい参加したメンバーのせいにしたくなりますが、違います。ファシリテーターの問いの立て方が小難しくなっていたり、的を射ていなかったり、不明確なだけです。
会議の中でも、「問題発見・解決会議」では、「現状を把握する」「あるべき姿を描く」「原因を洗い出す」「解決策を考える」というプロセスがあります。そのときどきで参加者から「意見を集め」、それを「整理し」、最終的に「合意形成する」のもファシリテーターの重要な仕事です。
最初の「意見を集める」というのは非常に大切なことで、意見が出なければ会議は進みません。しかも、どんな意見でも集まればいいかと言えばそうではなく、その会議のテーマにふさわしい的確ないい意見を拾うことができて初めて「精度の高い意見が集まった」と言えるのです。
では、いい意見をたくさん集めるには、どうしたら良いか。それは、「いい問い」を用意することです。「問い」を立てるときは、小学生でも分かるぐらい簡単なものにすることが鉄則。難しく考えることはありません、誰もが迷わず答えを出せる問いにすればいいのです。