テンポとスピードを重視する

<コツ2 カテゴライズはだいたいでちょうどいい。それよりテンポを重視!>

「カテゴライズの仕方がわかりません」と質問されることがあります。カテゴライズは、「だいたいでいい」ぐらいの感覚で捉えてください。会社の課題を付箋に書いてもらったとき、「コミュニケーション不足」と「コミュニケーションがスムーズではない」と書かれた意見を同じカテゴリにできるのはすぐに分かると思いますが、「笑顔が足りない」「話しかけにくい雰囲気」「パーテーションで仕切られていて和気あいあいになりにくい」などの意見が出てきたら、「ん? これらのカテゴリはコミュニケーション不足でいいのか? それとも、新たなカテゴリを立てるべきか?」と躊躇するかもしれません。

こういうときこそ「だいたい、でいいんだ」と思い、ひとまずすべて「コミュニケーション不足」のカテゴリに一緒に入れておきます。

そして、他の付箋の意見を整理する中で、「黙々と仕事をして笑わない人が多い」「笑顔が少ない」などの意見がたくさん出てくれば、「さっき、コミュニケーション不足のカテゴリに『笑顔が足りない』を入れたけど、『笑顔』のカテゴリを新たに作ったほうがいいかもしれない」などのように見えてきます。付箋は、あとからいくらでも移動できるので、神経質になる必要はないのです。

それよりも、優先するのは、テンポとスピードです。1枚ごとにいちいち立ち止まらず、「お、コミュニケーション不足」「あ、Aさんもコミュニケーションに課題を感じてるんですね」「Cさんもですか。コミュニケーションって職場の大きな問題なんですね~」といった具合に、テンポよく進めていくほうに集中してください。だいたいの意見が可視化できれば、そこから本格的にディスカッションしていけばいいのです。100点を目指す必要はありません。

質の高い会議をすると圧倒的に仕事が楽しくなる

<コツ3 カテゴライズは7~10個>

園部浩司『ゼロから学べる! ファシリテーション超技術』(かんき出版)
園部浩司『ゼロから学べる! ファシリテーション超技術』(かんき出版)

カテゴライズは、だいたい7~10個に分類できればちょうどいいと思っていればOKです。5つ以下だとカテゴライズがざっくりしすぎ、5〜6だと少し足りない、10を超えると細かすぎるという認識でいればいいです。

以上のプロセスを踏めば、メンバーの意見を引き出し、さらに整理することがあっという間にできるでしょう。ファシリテーションを学ぶと、単純に会議の時間を短縮できるだけでなく、「圧倒的に仕事が楽しくなる」という副次的効果も期待できます。質の高い会議ができれば、チームのメンバー、関係者などたくさんの仲間を巻き込んで問題解決という1つの目標達成に向かって一緒に突き進んでいくことができ、その後、必ず高い成果を創出できるからです。

ぜひ、みなさんもファシリテーションを通して社内の活性化を促し、「いい仕事」「いい人生」に直結させてください。

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