「私は『スーパードライ』は、神様がアサヒに与えてくれたプレゼントだと思っています。それまでは業界3位で長い間低迷を続けていました。それを救ったのが『スーパードライ』。今度もその再現をやるしかないだろうなと……」

荻田は本社に呼び戻されたとき、そう思ったという。4年ぶりに帰ったアサヒビールは、やはり「スーパードライ」のメーカーだった。ビール市場で50%を超える大砲を持っているだけに、それに頼ってしまう。シェアを死守しようとするあまり、カニバリを恐れて、思い切った商品開発ができていないのだ。

社長としての役割は発泡酒、新ジャンルのヒット商品をいかにつくるかだと決めていた。そのためには、現場から発想し、スピードを持って対応するしかないということを再確認していた。泉谷の酒類本部長への登用もマーケティング本部新設もそのための布石だった。