渋谷にある「目が見えない人」も楽しめる不思議なギャラリー

東京都渋谷区松濤の閑静な住宅街を歩いていると、こんな文字が飛び込んできた。「ぼくたち盲人もロダンを見るけんりがある」。そこは小さなギャラリーだった。独創的で思わず触れたくなるような作品たちを眺めていると「どうか触ってみてください」とスタッフの方が声をかけてくれた。

1996年にギャラリーTOMで開かれた「みんなの要るもの、要らないもの」展で出品された作品。
1996年にギャラリーTOMで開かれた「みんなの要るもの、要らないもの」展で出品された作品(筆者撮影)。

私が訪れたその日は、盲学校に通う生徒が作ったアートを展示していた。「見えないからこそ、他の作品の真似っこができないのでしょう」。そう、館長の村山治江さんは言う。だから、どれも個性的な作品なのだろう。