過去最大の輸出減で追い込まれる韓国経済
2020年4~6月期、韓国の国内総生産(GDP)成長率は実質ベースで前期比マイナス3.3%となり、22年ぶりの落ち込み幅を記録した。主な理由は、輸出が4~6月期に過去最大の減少を記録したことだ。
韓国経済にとって、輸出は頼みの綱ともいうべきエンジンである。1960年代後半以降、韓国経済は米国や中国などへの輸出を増やすことで成長を遂げ、内需が支えられた。逆に言えば、輸出が減少すると韓国の所得・雇用環境にはかなりのマイナスの影響が出る。近年、家計部門の債務残高が増えてきたことを考えると、輸出減少の影響は軽視できない。
今後、輸出にさらなる下押し圧力がかかり、韓国経済が一段と厳しい局面を迎える展開は否定できない。仮に、新型コロナウイルスの感染がさらに深刻化するとともに、米中の対立が先鋭化するようなことがあれば、韓国の実体経済と金融システムにはかなりの衝撃があるだろう。