人口が多い日本が享受するメリット

世界には人口の多い国と少ない国があります。日本は人口の多い国であり、数多くのメリットを享受しているのです。

人口が多い国での主たるメリットは、旺盛な消費に支えられる「内需主導型経済」の構造になることです。国連の調査によると、日本の人口は234カ国中世界11位ですから、「日本は人口の多い国」といえます。日本における輸出依存度は15%程度であり、海外諸国に商品・サービスを販売して外貨を稼ぐ国ではなく、国内の巨大な人口で経済が成り立つ国なのです。その規模は、OECD(経済協力開発機構)に加盟している各国の輸出依存度の低さでいえば米国に次ぐ世界第2位というものなのです(2018年ベース)。

内需が小さく、輸出依存度が高ければ、輸出相手国の経済状況に大きく影響を受けることになります。今や何か商品1つの製造をとっても、網の目のようにサプライチェーンが張り巡らされている超グローバル社会ですから、世界経済の影響を受けない国は存在しません。しかし、旺盛な国内消費があることで、他国の影響を受けにくくなり国の経済はより盤石になります。

日本でガラパゴス化が進んだのはなぜ

日本文化はとかく「ガラパゴス化」と言われます。これは巨大な国内市場があるため、日本人相手のみに受容されるビジネスでも、十分すぎるほどの富を享受できるからです。製造業においては、技術力や機能の高さはあるのに、世界のビジネス市場で苦戦する様子が報道されます。ビジネスのガラパゴス化の象徴といえば、ガラパゴスケータイです。

筆者はかつて「メガピクセル携帯」を持って米国旅行に行ったことがあります。その際、写真を撮っていると、レストランのスタッフがあまりの高解像度、コンパクトさに驚いて筆者のガラケーを手に持って大騒ぎ、厨房スタッフにまで店に行き「日本のテクノロジーはとっても進んでいる」と言われて誇らしく思った経験があります。

ガラパゴス化は分厚い人口の層がなければ実現できません。日本独自の文化は人口の多さに支えられているのです。

日本人の英語力の低さは内需主導型経済によるもの

また、経済基盤が内需主導型だと、労働人口の多くは母国のビジネスに従事することになり、海外取引のビジネスに携わる人員の数も限定的になります。

これが日本人の英語力の必要性を低下させており、日本人の英語力が低い根本的原因となっているのです。EFエデュケーション・ファースト(スイス)の2019年調査によると、日本人の英語力は非英語圏で53位、5段階中4番目の「低い能力レベル」と評されています。これは英語力格差が経済格差になるような国と比較すると、内需主導経済の何よりの証明なのです。

これから日本の人口減少が顕在化することで、さまざまなリスクが懸念されています。

先に述べた国内マーケットの縮小や、国外からの脅威に対する自国の防衛力低下も懸念されます。国内消費者の少子高齢化を懸念し、国内の大手メーカーは平均年齢が若く、さらなる人口増加が見込まれる国へのグローバル展開が続きます。国内の大手メーカー24社の決算発表によると、海外売上比率の増加傾向が見られることがその事実を証明しているのです。