コロナ対策優先で種苗法改正は見送り
農水省によると、日本のイチゴ品種を韓国が持ち出し自国で栽培、輸出したため、日本は約220億円を損失したといわれています。そんな中、種苗法改正の今国会での成立が見送られる見通しとなり、大きな話題を呼びました。現在、政府は新型コロナウイルスの対応を優先しています。そのため種苗法改正により農家への負担を増やす可能性が残ってしまう以上、今国会での法改正は難しいと判断したのだと思われます。また、ある著名人の投稿を機にSNS上で農家の負担増について意識が高まったこととも慎重派を後押ししたようです。
著名人の投稿には、「このツイートのせいで種苗法改正が見送られた! 今後も海外に日本品種流出が続く!」と猛烈な批判が浴びせられましたが、私としましては、著名人への個人攻撃は正しくないと思います。政府・与党がこの法改正に慎重さが求められると認識しているのは明らかであり、秋に行われる臨時国会での成立を目指しています。決して改正をやめたわけではないのです。そもそもいくら著名だとはいえしょせんは門外漢である人物の投稿で改正見送りを決定するとは考えにくいです。仮にそうであるならば、そのような判断を決定した政府・与党の日和見主義的な姿勢こそが真に問われるべきだと考えます。