ストイックさを継続できた理由
【三宅】中澤さんの意志力といいますか、ストイックさを継続できた理由は何なのでしょうか。
【中澤】はっきりとした目標があったことだと思います。プロになる前は「22歳までにプロ選手になること」でしたし、プロになった後は「日本代表としてワールドカップに出て活躍する」ということでした。
そして、その目標から常に逆算をしながら、「いま僕は何をしなくてはいけないのか」「何カ月後には、どういう状態でいなければいけないのか」という計算をいつもしていました。
【三宅】たしかに逆算発想ができると、迷いがなくなりますからね。
【中澤】おっしゃるとおりです。周囲に気づかれないような小さな努力であっても、「目標に近づいている」という実感を持ちやすい。逆に小さなことでもそれを怠っていると、「目標を達成できない」という危機感を持つことができます。
【三宅】そうですね。
【中澤】あとは、そうした危機感をさらに煽ってくれる良いライバルがたくさんいたことも、大きな要因だと思います。少しでも油断したら差をつけられる、もしくは追い抜かれるような優れたチームメートたちに恵まれたおかげで、常に緊張感を保つことができたと思います。
(構成=郷 和貴)