IMFの世界経済見通しも手探り、韓国だけが下方修正ではない
韓国は、国際通貨基金(IMF)が6月に出した、今年の韓国経済成長率の下方修正について「過激だ」との意見を述べています。IMFが4月に報告したマイナス1.2%からマイナス2.1%へと0.9%下方修正されたわけですが、世界全体も1.9%の下方修正となっており、この下方修正に過敏に反応する必要性などないように感じます。IMFに「物申す」背景には韓国国内の苦しい経済状況があるのです。
韓国銀行によれば、新型コロナウイルスの影響が年末まで続く場合、最大76万世帯が破産し、50.5%と半分以上の企業が利子を払えなくなる事態が起きかねないと警告しています。過度な家計・企業負債の膨張は非常に危険だと言えます。
6月、IMFは「類例のない危機、不確実な回復」と題し、4月の「世界経済見通し(WEO)」の予想から下方修正を発表しています。新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、2020年前半の経済活動に予想以上のマイナス影響を及ぼしており、回復の見通しも、もともとの予想よりも緩やかになると報告しています。世界全体として、とりわけ低所得世帯への打撃が深刻で、さらなる貧困の拡大が懸念されているのです。韓国だけが成長率を下方修正されたわけではなく、IMFは世界の感染状況と経済活動の回復を考慮し、柔軟に見通しを変更しているにすぎないのです。