安倍首相はその言葉に驚きを隠せなかった

安倍政権崩壊確実で「下剋上」が始まった。

自民党経済成長戦略本部長の岸田文雄政調会長(左から2人目)から提言書を受け取る安倍晋三首相(中央)=2020年6月25日、首相官邸
写真=時事通信フォト
自民党経済成長戦略本部長の岸田文雄政調会長(左から2人目)から提言書を受け取る安倍晋三首相(中央)=2020年6月25日、首相官邸

その象徴が、河野太郎防衛相が「迎撃ミサイルシステム」の停止を、安倍に相談せず独断で決定したことだろう。

安倍首相は、河野から「私はやりたくありません」と聞いて、驚きを隠せなかったといわれる。

「陸上イージスの導入を撤回すれば、ミサイル防衛を根本から見直さなければならない。政府には導入によって、イージス艦乗組員の負担を軽減するねらいもあった。さらに米側とは契約済みだ。撤回すれば『バイ・アメリカン(米国製品を買おう)』を掲げるトランプ大統領の怒りを買う恐れもある。

『河野さんも外務大臣やったんだから、状況は分かってるよね?』。首相は河野氏が口にした問題の大きさを示すように念押し」(朝日新聞デジタル 6月25日 5時00分)したといわれる。

だが、河野は安倍のいうことに耳を貸さなかった。河野が停止する理由として、迎撃ミサイルを打ち上げた際、切り離したブースター(推進装置)を演習場内に落とすことができず、周辺に被害が及ぶことが判明したことと、それを改修するには、約10年、2000億円にも及ぶ時間とコストがかかるということだった。