6月はずっと100人以下だったが、ここに来て増加中

東京都の新型コロナウイルス感染者が連日100人を超えている。7月2日は107人、7月3日は124人だった。感染者が100人以上となったのは、政府の緊急事態宣言が発令中だった5月2日の154人以来で、2カ月ぶりだ。

新型コロナウイルスについての記者会見で、「夜の街」について注意を促すボードを掲げる東京都の小池百合子知事=2020年7月2日、東京都新宿区
写真=時事通信フォト
新型コロナウイルスについての記者会見で、「夜の街」について注意を促すボードを掲げる東京都の小池百合子知事=2020年7月2日、東京都新宿区

これまでの都内の感染者は4月4日に初めて100人を超え、その後、7日に政府が緊急事態宣言を発令した。これまでの最多は4月17日の206人だ。6月はずっと100人以下だったが、ここに来て増えている。

しかし100人を超えたからといって、慌てることはない。欧米の例を見ても、外出規制の緩和後に感染者が増えることはわかっている。冷静に行動することが重要だ。都と厚生労働省は、感染ルートを洗い出して、感染源とその周辺をつぶしていく「クラスター対策」に力を入れてほしい。

「手洗い」は個人でできる最重要の防疫手段

個人でできる一番の対策は「手洗い」だ。手をこまめに洗ってウイルスを流し落とす。せっけんがなければ、水だけで洗ってもいい。きちんと洗えば十分な効果が期待できる。

一方、マスクは万全ではない。感染者が人に移すのを防ぐ手立てとしては有効だが、それでも極小のウイルスはマスク生地の網目から飛び出してしまう。また感染予防の手段としては気休め程度だと思ったほうがいい。どちらを徹底するべきかをあえて問えば、マスクよりも手洗いだ。手洗いは個人でできる最重要の防疫手段といえる。

新型コロナウイルスが厄介なところは、感染しても自覚症状のない無症状の感染者がいることだ。若者に多くみられ、彼らが動き回ることで感染が広まる恐れがある。東京都の「夜の街」での感染増加は、こうした無症状の若者に起因する。