毎度国民、記者の失笑を誘う総理会見

新型コロナウイルス対応に国民の厳しい視線が向けられる安倍晋三政権は、内閣支持率が急降下し、もはや政権末期の様相を見せている。政界の関心はすでに「ポスト安倍」に移り、公然と政権批判する声も自民党内から出るようになった。こうした中、存在感を高めているのが公明党だ。政権への従順ぶりから「下駄の雪」と揶揄された同党だが、今や「政権のブレーキ役」だけではなく、コロナ危機で国民目線に立った「アクセル役」も担っている。安倍総理が民の信頼を失う中、自民党を救う「救世主」として公明党の山口那津男代表を暫定総理に推す声も聞こえてくる。

国会議事堂
写真=iStock.com/maroke
※写真はイメージです

「わずか1カ月半で今回の流行をほぼ収束させることができた。まさに、日本モデルの力を示したと思う」。安倍総理の常識離れした「手前味噌」はかねて知られているが、緊急事態宣言の全面解除を表明した5月25日の記者会見で語った言葉の数々には、国会担当の記者たちからも冷笑が漏れた。だが、そんなことはどこ吹く風よと「我が国では、人口あたりの感染者数や死亡者数をG7の中でも圧倒的に少なく抑え込むことができている。私たちの取り組みは確実に成果をあげており、世界の期待と注目を集めている」と悦に入る姿は、まさに「裸の王様」状態そのものだ。