なぜ大学だけ支援…保護者の悲鳴は安倍晋三に届かず
新型コロナウイルスの影響で長期化を余儀なくされた学校の臨時休校。緊急事態宣言の一部解除により、地域によっては「学びの場」が再開されるところもあるが、この間の学習の遅れは深刻化し、児童・生徒のみならず保護者の不安やストレスは並大抵のものではない。オンライン授業や個人面談などをスタートしているのはコロナ危機前からネット環境を整えていたところが多く、ようやく最近になって新学年の教科書を発送した「アナログ校」も存在しているのが実情だ。
卒業式や入学式にさえ出席することが叶わず、約2カ月間に生じた「学習格差」は小さくないが、ママさん達が今、憤っているのは支払い済みとなっている授業料の扱いだ。大学生らに対しては学費減額運動の拡大を受けて政府が支援する方向になったものの、全国に9000校近くある私立校(幼稚園を含む)に通う児童・生徒の授業料は放置されたままで、政府内で減額や免除、返還といった議論がなされている形跡はない。コロナ危機に伴い失職や減収を余儀なくされた家庭もあり、子供のために決して安くはない授業料を払い続ける親には絶望感も漂う。「なぜ大学だけ支援するのか?」。こうした保護者の悲鳴は安倍晋三総理に届くのだろうか。