このままだと学習格差が生じることに
9月に学期がスタートする米国では学費が高く、州立大の付属幼稚園ともなれば月額1000ドルを超える。元々、オンライン化が進められてきた大学ではスムーズに移行しているものの、オンライン講義と実技的なものが半分ずつという「ハイブリッド型」も多い。ただ、「完全閉鎖された幼稚園では『オンライン』がほとんどなく、月額800ドル弱の4分の1程度を維持費として支払っている状態。学費が高い分、リファンド意識も高い」(ニュージャージー州に住む男性会社員)という。
安倍総理は5月14日に39県の緊急事態宣言解除を表明し、その地域の学校は再開されることになったが、東京都など残る8都道府県と再開時期が異なれば「学習格差」が生じる。学校教育法施行規則で定めている小中学校が各学年で満たすべき「標準授業時数」をいかに確保し、学習の進み具合を解消していくのか。
学校現場と保護者の苦悩は続く
萩生田光一文科相は5月15日の記者会見で「2倍速、3倍速で授業を進めたり、夏休みをほとんどなくしたり、土曜日をフルに使ったりして、詰め込むことで数字の積み上げだけを目指すのではなく、様々な行事などを含めた子供たちの学びを考えてもらうことが大事だ」と語ったが、学校現場と保護者の苦悩は続きそうだ。
政府・与党は第2次補正予算案を今国会に提出する方針だ。しかし、そこには残念ながら「授業料」に関するメニューはなく、安倍政権には保護者の悲痛な声は届いていないように映る。歴史を紐解けば、生活に困窮した民の声に「徳政令」という形で応えたトップもいたが、現在は1回限りの現金給付を除けば「借金メニュー」ばかりが目立つ。最近、ツイッターでトレンド入りしている「反対」運動に絡めれば、「#授業料を満額とって学習の穴埋めをしないまま、返金・減免しないことに反対します」というのが親たちの率直な気持ちなのかもしれない。