清掃の技術に自信があるラブホがわざわざ特殊清掃に教えを乞うワケ
そもそも、ホテルは利用者が変わる度に室内清掃をし、清潔を保っている施設だ。特にラブホテルは休憩利用が多いため、1日に何度もクリーニングに入る。
また、一般的なホテルの洋室は土足で入るのが通例だが、多くのラブホテルでは玄関に靴を脱ぐ「たたき」があり、スリッパに履き替えて室内に入る構造になっている。そういう意味では、宿泊施設の中でもラブホテルは、より清潔が保たれている空間と言える。
清掃スタッフは一般のホテルが外注しているのに対し、ラブホテルは自社で清掃スタッフを抱える。そのため、衛生意識を、自社スタッフにしっかりと伝えることができるメリットがあるという。プランタンホテルグループでは60人の清掃スタッフを抱えている。
森藤さんは説明する。
「そもそも、われわれは清掃の技術・スピードには自負を持っていました。社内イベントでお掃除コンテストもやっているくらいです。今回の特殊清掃のスキルを目の当たりにして、コロナ時代のホテル業界にとって大変、心強いと感じました」
あるスタッフは「ものすごく納得感があった。結果的に自分たちの身を守る情報も得られたのがよかった」と感想を述べた。
岩橋さんの元にはラブホテルだけではなく、学校施設でのクリーニング・除菌指導の要請も舞い込んでいるという。何の不安もなくラブホテルを利用できる日がやってきた時こそ、「ウイルスとの戦いに勝った」と言えるかもしれない。