居酒屋のドリンクで人気の高いレモンサワー。政府の外出自粛要請をきっかけに、自宅向けのレモンサワー用割り材の売り上げが伸びている。経済ジャーナリストの高井尚之氏が、「ポッカレモン」を販売するポッカサッポロに話を聞いた――。
レモンとミントのジントニックカクテル
写真=iStock.com/CarlaMc
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“レモンサワーブーム”は新型コロナで消えたのか

「私は、ビールやレモンサワーがいいですね。鍋の辛味とは別の爽快感を楽しみたいです」

外出や会食「自粛」など考えもしなかった昨年末、火鍋を楽しむ会で注文する際、20代の女性会社員のこんな発言を聞いた。「とりあえず」のドリンクとして、ビールとレモンサワーが同時に候補で挙がるのを興味深く感じたのだ。近年、レモンサワーの人気は高い。

別の仕事仲間と打ち合わせを兼ねて食事をした都内の居酒屋で、こんな光景も見かけた。

店の入り口には、木箱入りの生レモンがディスプレイのように設置され、店内には「カットレモン」がびっしりと入ったプラスチック容器が並ぶ。生レモンがそのまま入ったレモンサワーも名物で、同席者は当然のようにこれを注文し、杯を重ねた。

新型コロナウイルス感染拡大防止の影響で「巣ごもり消費」が続くなか、レモン系人気はどうなったのか。1957年にロングセラーブランド「ポッカレモン」を発売したポッカサッポロフード&ビバレッジ(以下ポッカサッポロ)にも話を聞き、消費者心理を考えてみた。