レモン味のカクテル材料は前年比125.5%増加

「コロナの影響で、近くのスーパーなどで買い物されるお客さまが増えており、当社の『ポッカレモン100』は2月以降、売り上げが伸びています。また、カクテル材料『お酒にプラス レモン』が1月頃と比較して前年比が伸びており、居酒屋等の自粛要請に伴う家飲み拡大などの影響が考えられます」

ポッカサッポロの広報担当はこのように説明する(数字は非公表)。中でも「とくとくレモン」は取り扱い店舗が増えた1月から売り上げを伸ばしていたが、緊急事態宣言が出た4月から家飲み需要が一気に拡大したことで売り上げを大きく伸ばしているという。

仕事の合間や気分転換に、爽快なレモン味を選ぶ人が増えていると聞く。実際、同社だけでなくレモン味のカクテル材料市場全体が伸張しており、緊急事態宣言が出た4月は前年比125.5%の伸びとなっている。

家飲みでも「甘さ離れ」と健康志向がトレンド

ストレス社会のリフレッシュ需要としてはどうだろう。

「リフレッシュ意識は感じますね。以前、レモンはフレーバーの1つのような位置づけでしたが、甘さ離れや健康志向の影響で、爽やかな風味で汎用性の高い素材として再注目されました。それまでドリンク中心だったレモンの用途が、お菓子やスイーツにも広がったと感じています。お客様の『すっぱいもの』への許容度が増えていることもあると思います」(同)

今年3月、無糖の炭酸水「ウィルキンソン タンサン」「ウィルキンソン タンサン レモン」をリニューアル発売したアサヒ飲料は、こう話していた。

「最も人気のフレーバーは、定番の『ウィルキンソン タンサン』ですが、『ウィルキンソン タンサン レモン』は、炭酸水になじみがなかった人のトライアル需要として人気です」

外出自粛が強まった同月でも、「ウィルキンソン」は対前年比125%を記録するなど、ブランドの人気をレモン味も支えている。