家で作るレモンサワーの黄金比は?

ところで今回の企画を編集部と詰めるなか、新商品「冷凍ポッカレモン そのまま使えるカットレモン」の発売(2月24日から関東エリア先行販売)を耳にした。冒頭で紹介した都内の居酒屋で見かけたような、レモンを丸ごと商品化したものだという。

2020年2月21日、平手元広レモン食品事業部長
2020年2月21日、平手元広レモン食品事業部長(提供=ポッカサッポロフード&ビバレッジ)

「この商品は、『必要な分だけ新鮮なレモンを使いたい』『レモンの香りを楽しみたい』『レモンの健康・美容を体感したい』といったニーズにお応えすべく開発しました。健康や美容意識が高く、ご家庭で料理や手作りドリンクなどを楽しまれる方々をターゲットとしています」(広報担当)

新商品は地域限定だという。せっかくなので、売り上げ拡大が続く「お酒にプラス とくとくレモン」の自宅での楽しみ方を聞いた。

「こちらはアルコールや炭酸を含まず、レモンの濃さだけを調整できる商品です。例えば『焼酎と炭酸水を4:6で割ったもの』に対して、とくとくレモンを1割程度入れると、食事に合うすっきりとした味わいの“ドライレモンサワー”が楽しめます」(同)

本稿の女性担当編集者(九州出身)のようにお酒に強い人、逆にお酒が強くない人は、興味があれば、お好みで割合を調整してはいかがだろう。

需要が高まる中、今後は安定調達が課題に

ビール系飲料などは、コロナの影響で売り上げ減少となっている。全体に占める消費量が大きい、居酒屋などに卸す「業務用」販売が、店の営業休止で見込めないからだ。

今回紹介した、ポッカサッポロのレモン系商品は、本稿執筆時では「コロナによる商品製造への影響はない」と聞くが、現在のような販売増加が続くと、今度は安定供給への態勢が求められる。原材料のレモンは、天候や生育条件にも左右される農作物なので、需要が拡大しても、簡単に「追加生産」に踏み切るわけにはいかないからだ。

そもそも「レモン果汁の流通量」は約2万トン(19年度)。このうち輸入が97%を占めており、国産は約3%にすぎない。国内生産地の約8割を広島県など瀬戸内地方が占める(同社調べ)。

「国産レモンの需要が高まっている一方で、そのニーズに対応できない現状があります。もちろん、一企業だけで解決できる問題ではなく、国産レモン生産No.1の広島県をはじめ、地域のJAや農家の方々と課題を共有して対応を進めています。レモン栽培の現場を知るため、昨年4月に広島県大崎上島町においてレモンの栽培を始め、課題を確認しながら、地域と連携したレモン振興を進めています」(ポッカサッポロ)

コロナの影響で憂鬱な日々が続くが、日差しも強くなり、「レモンの瑞々みずみずしさ」が楽しめる季節を迎えた。だが当面は、「つかの間の爽快感」を味わうしかなさそうだ。

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