混雑率が下がる一方で、輸送力は上がっている

ちなみに混雑率の目安であるが、100%で定員乗車(座席につくか、吊革につかまるか、ドア付近の柱につかまることができる)の状態だ。150%は広げて楽に新聞を読める、180%は折りたたむなど無理をすれば新聞を読める、200%は体がふれあい相当圧迫感があるが、週刊誌程度なら何とか読める、250%になると電車がゆれるたびに体が斜めになって身動きができず、手も動かせない状態となる。

国土交通省は、大都市圏における都市鉄道全区間の各混雑率を150%以内とすることを目標としている(ただし東京圏については当面、主要区間の平均混雑率を全体として150%以内とし、全区間それぞれの混雑率を180%以内とすることが目標)。

さて、混雑率が下がる一方で、輸送力は上がっている。昭和50年度を100とした指数を見ると、平成30年度の値は166と、1.5倍以上に。これは線路の増設、車両の増強、連結車両の増加、運転間隔の短縮など、各鉄道会社の設備投資のおかげである。ここ数年は、オフピーク通勤も推奨され、啓発するポスターをよく見ると感じる人は多いだろう。

混雑する通勤電車はたしかに憂鬱だ。しかし、混雑は緩和されつつある事実を知れば、少しは心に余裕が持てるかもしれない。

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