発売11カ月で世界200万部、そのうち4分の1が日本で売れている(2019年12月時点)『FACTFULNESS』。同書は、私たちの世界に関する「勘違い」を「10の本能」に分類している。今回、その10の本能を現代ニュースに絡めて紹介していく。第6回は「直線本能」だ――。(全10回)
▼直線本能
「世界の人口はひたすら増え続ける」という思い込み
何かが直線的に増加していることを示すグラフを見たとき、そのまま伸びていく未来を想像してしまうのではないだろうか。それがロスリングのいう「直線本能」だ。だが、多くのグラフはやがてなだらかになり、横ばいに近づく。人の成長がいい例だ。身長がひたすら伸び続けていくことはありえない。世界人口も同様、現在は直線的に増加しているがやがては横ばいになる。真っ直ぐなグラフのほうが珍しいということを認識すべきなのだ。
「世界の人口はひたすら増え続ける」という思い込み
何かが直線的に増加していることを示すグラフを見たとき、そのまま伸びていく未来を想像してしまうのではないだろうか。それがロスリングのいう「直線本能」だ。だが、多くのグラフはやがてなだらかになり、横ばいに近づく。人の成長がいい例だ。身長がひたすら伸び続けていくことはありえない。世界人口も同様、現在は直線的に増加しているがやがては横ばいになる。真っ直ぐなグラフのほうが珍しいということを認識すべきなのだ。
「東京都心のマンション価格だけは下がらない」という価値観
新型コロナウイルス騒動以降、「マンションの価格が下がる」という見立てが一般的になってきました。未来の見通しが立たないとき、消費者は何千万円もする買い物をするマインドになりにくくなり、とりわけ新築マンションが売れなくなります。しかしこの騒ぎの前まで、メジャーだったのは「東京都心のマンション価格だけは下がらない」という価値観でした。高値摑みをした人もいるかもしれません。
振り返れば2013年、日銀の黒田東彦総裁が異次元金融緩和を始めたことでマネタリーベースが増加。その恩恵を受けた不動産市場で「局地バブル」が発生し、それ以来、東京のマンション価格は上がり続けていました。しかし、いずれ下がることは予見できていたことでした。
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