「不動産バブル」崩壊の兆し?
今年は日本全国でインフレが猛威を振るいました。不動産業界も例外ではなく、新築マンション価格はうなぎ上りで、2023年1月~6月の東京23区新築マンション平均価格が約1億3000万円まで高騰したことが話題になりました。
この物価高騰の原因は、ウクライナ戦争に端を発した原油価格の上昇、および円安だと思われます。昨年から始まった急激な円安は、アメリカFRBによる急激な利上げと、日銀の異次元緩和継続で、日米金利差が拡大したことが原因と考えられます。
一方、マンション価格の高騰は、外国人など一部富裕層が積極的にマンションを購入したことに加え、政府・日銀の金融緩和継続によって、住宅ローンの歴史的な低金利が維持されたこと、および「住宅ローン控除」などの税制優遇策がもたらしたと考えられます。
ただ、ここに来て、こうした日本の「マンションバブル」にも変化の兆しが出てきました。
新築マンション価格は下落傾向
高騰を続けてきた新築マンション平均価格も、2023年後半に入って以降、徐々に沈静化の兆しが見えます。2023年10月の東京23区新築マンション平均価格は8709万円で、前年同月比では-7%。首都圏の新築マンション平均価格は6567万円で、前年同月比では-3.2%。どちらも下落が始まっています。
最新の2023年11月のデータでは、東京23区新築マンション平均価格は1億2811万円、首都圏は8250万円と再び増加していますが、ピークを越えておらず、また埼玉などでは大幅な下落が見られます。
中古マンションでもこうした傾向が見られます。
2023年10月の首都圏中古マンションの成約件数は、前年同月比で7%増。増加はしていますが、バブルと言えるほどには増えていない印象です。