戸建住宅メーカーは値引き販売を始めている

「コロナ特需消滅」の影響が、戸建住宅メーカーに波及しはじめています。

コロナ禍以降、一戸建て需要の高まりを受けて、建売住宅の需要が急増したことで、戸建住宅メーカーは恩恵を受けてきました。

戸建住宅大手のオープンハウスグループが、2023年9月期決算において、売上高が初めて1兆円を超えたことが話題になりました。

しかし、これは昨年までの好景気を反映したもので、足元では事業環境が徐々に厳しくなってきていると考えられます。

2022年の夏以降、コロナ特需が消滅しはじめ、戸建住宅の需要は減少していると考えられます。実際、すでに一部の戸建住宅メーカーは値引き販売を始めているとも聞きます。

超高級物件の高騰はまだまだ続く

一方、都心好立地のマンション価格は今も高騰を続けています。

先ごろ大阪では1部屋25億円のマンションが売り出され話題になりました。また、2023年11月に開業した麻布台ヒルズには1部屋200億円の部屋があると話題になっています。

実は、日本では富裕層向けの超高級物件は多くはありません。一方、外国人や国内の富裕層の間には、こうした超高級物件への強いニーズが存在しています。

そのため、都心部などの好立地では、超高級物件の分譲が続いており、これが新築マンション平均価格を押し上げていると考えられます。

一方で、普通のマンション価格はそろそろ天井に近づいています。

2022年の全国の新築マンション年収倍率は全国平均で9.66倍。東京に限れば、年収倍率は実に14.88倍となっています。一般的には、住宅ローンの借入額は年収の7倍程度まで、とも言われていますので、普通の人は新築マンションを買えない状況が発生しています。

つまり、一部のマンションでは「高すぎて売れない」ため、成約平米単価がずるずる下がりはじめていると考えられます。

今後も、超高級マンションの高騰が続く一方、中古マンションや一戸建てについては横ばいか、下落傾向が強まるのではないでしょうか。

その結果、近い将来「マンションバブル」が完全に崩壊するのか、予断を許さない状況が続くと見られます。

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