子どもが勉強習慣を身に付けるために親は何をすべきか。長男が通塾なしの中学受験に挑戦した会社員のオトクサさんは、「ほったらかし受験」を実践したという。著書『通塾なしで開成合格!中学受験おうち勉強法』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より、一部を紹介する――。(第2回/全2回)
中学受験で「自走」する子どもとは?
「通塾なし」を選んで最初に頭を悩ませたのは、すべての勉強を家庭で見なければならないということ。8人の子どもがいて仕事に家事に育児にと忙しいオトクサ家では、限られた時間の中で、どうやって効率的に子どもの学習を進めていけばいいのか。それは大きな課題でした。
そんな中で行き着いたのが「自走」という考え方でした。
中学受験に関わる親なら誰しも一度は「子どもが自走してくれたらいいのになあ」と思ったことがあるのではないでしょうか。もしくは、「自走なんてうちの子にはとても無理!」そう思われる方もいるのではないでしょうか。
でも、その「自走」という言葉の捉え方は、人によって実にさまざまです。
「気になったらまずは自分で調べろ!」と、いつも子どもに言っているので、私も電子辞書(デジタル大辞泉)で調べてみました。
じ-そう【自走】他の動力によらず、自身の動力で走ること。
これを中学受験における「自走」に当てはめると、
● 自分で教科書を読むこと
● 自分で問題集を解くこと
● 自分で丸つけをすること
という、ごくシンプルな意味になるはずです。
自分で勉強を始めることの前提
しかし、多くの場合、中学受験での「自走」には「自主的」な要素まで含まれています。
じしゅ-てき【自主的】他からの指図や干渉によらずに、なすべきことを自分の意思に基づいて行うさま。
たとえば、
● 「決められた時間」に自分で起きて勉強を始める
● ゲームをしていても「決められた時間」になったら切り替える
● 「決められた問題数」に毎日取り組む
こういった「自主的」な部分まで「自走」に含まれるのは、ある程度納得できることかもしれません。ただし、ここで重要なのは、「決められた」スケジュールや内容があってこその「自主性」だということです。