頭のいい子は、どのような勉強をしているのか。東大カルぺ・ディエム著、西岡壱誠監修『東大生が教科別にわかりやすく教える 受験勉強法大全』(幻冬舎)から、参考書の賢い選び方について、一部を再編集して紹介する――。(第2回)
図書館で本を持つ女子高校生
写真=iStock.com/metamorworks
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「とりあえず1冊買えばいい」はNG

みなさんはお子さんに、どんな参考書を買っていますか?

お子さんが成長するにつれて、学校の勉強もどんどん難しくなっていきます。「レベルが高くてついていけない」「もう少し上の成績を取りたい」となった時に、便利なアイテムが「参考書」です。

今や参考書の種類は膨大であり、それぞれの学力や理解レベルに応じた参考書が存在しています。まだまだ学力に乏しい学生でも「楽しく勉強できるような参考書」もあれば、自信が付いて勉強が楽しくなってきた生徒向けに、「さらに実力が身に付く問題ばかり揃った参考書」もあります。

でも、参考書選びを間違えてしまうと、子供の勉強にとって逆効果になってしまうことがあります。もし、参考書選びの方法を間違えてしまうと、成績が上がるどころかむしろ下がってしまうかもしれないのです。

例えば、「とりあえず1科目では、要点のまとまった参考書を1冊買えばいいだろう」と考えている場合は危険です。後ほど詳しく説明しますが、「要点がまとまっているものを選べば成績が上がる」というのは幻想です。

また、「1つの分野で1冊買っておけば大丈夫だろう」というのも、大きな勘違いです。むしろその選び方によっては、成績を下げてしまうかもしれません。今回は、参考書を選ぶときに重要な3つのポイントをご紹介したいと思います。

綺麗な参考書は“勉強した気”になりやすい

1 同じ参考書を「2冊」買う

まず、参考書を選ぶ時の重要な視点として、「要点のまとまった参考書だけを選んではいけない」というものがあります。今の参考書は見栄えなどが非常に良く、フルカラーで、飽きさせない工夫が随所にあり、それでいて要点がしっかりとまとまっているようなものも存在します。

接したことのある親御さんの中には、「こんなに要点がしっかりまとまっているなら、成績も上がるだろう」と、そういった参考書を選んでいる場合も多かったです。

しかし、実は「要点のまとまった参考書」には、1つ落とし穴があります。それは、「簡単に勉強した気になってしまう」というものです。要点が綺麗にまとまっている参考書は、読んでいて非常に「勉強した気」になりやすいので、情報が整理されている分、頭に入って来やすいのではと思うかもしれません。

しかし逆に言えば、自分で考える必要がないため、結果的に頭に残りにくのです。頭に入りやすい情報は、言い換えると、頭から抜けてもしまいやすいのです。

反対に、要点を自分でまとめなければならないような参考書だと、整理するのに手間取ってしまったり、時間をかけて勉強しないとなかなか前に進まなかったりするわけですが、その分、忘れにくくなります。