“自分で考えないと”成績は上がらない
「要点がまとまっている参考書」だからといって、必ずしも「学習効果の高い参考書」だとは言えないのです。
どんな参考書であっても、自分で考える時間を設けないと、成績は上がりません。僕の周りの東大生に、受験生だった当時の参考書を見せてもらうと、たくさん書き込みを入れていたケースが多かったです。彼らは、最初の段階では綺麗に整理されている参考書を選ばず、あえて自分で情報を書き足していける参考書を選んでいます。それを自分なりに改造して「オリジナル参考書」に仕上げ、頭の中を整理していくわけです。
これなら、「勉強した気になる」ということも防げます。例えば単語帳であれば、その単語帳には載っていない類義語を書き足したり、授業の中でその単語が出て来た時に使われた英文を書き足したりするのです。そうやって、自分なりの参考書を作り上げています。
意外かもしれませんが、東大生は「全く同じ参考書を2冊買う」というパターンも多いのです。片方は書き込みをどんどん加えていき、もう片方は綺麗なままで「読む専用の参考書」として使い続けます。
書き込みを加えすぎてしまうと元の状態がわからなくなってしまい、ごちゃごちゃして見にくくなってしまうこともあるからです。また、汚くなるのが嫌でなかなか大胆な書き込みができないという人もいるので、もう一冊綺麗なままの参考書を残しておくことで遠慮なく書き込めるというメリットがあります。ぜひ参考にしてみてください。
「インプット用」と「アウトプット用」が必要
2 同じ分野の参考書も、必ず「2冊(種類)」買う
次に重要なのは、「1つの分野の参考書を1冊だけ選んではならない」というものです。
例えば、中学社会の参考書を選ぶとしましょう。この時に、多くのご家庭では、「この本がいいかな」と思った参考書を1冊だけ買ってあげるケースが多いと思います。しかし「1冊だけ」だと、成績を上げることにはつながりにくいです。
一口に参考書と言ってもいろんな種類がありますが、大きく分けて2種類あると思っています。それは「インプットが多い参考書」と「アウトプットが多い参考書」です。前者は読んで情報を入れることがメインで、後者は問題を解くことや、その情報を使ったり書き出したりすることなどに重きをおいているものを指します。
もう少し具体的に言うと、情報がたくさん書いてあり、ビジュアルが綺麗に整理されているような参考書は「インプットが多い参考書」です。逆に、たくさんの問題が載っていて、問題を解いていくことでレベルアップを図るような参考書は「アウトプットが多い参考書」です。