クリスマスなどの親から子への贈り物にはご褒美や励ましのほか、「こんな人になってほしい」といった願いも込められる。名門私立の校長は自分の子供に何をプレゼントしたのだろうか。威厳ある校長先生ではなく、家庭のパパ・ママとしてどんな思いがあったのか。プレジデントFamily編集部の取材に、渋谷教育学園幕張中学校・高等学校校長の田村聡明さんと早稲田実業学校初等部校長の星直樹さんが答えてくれた――。
※本稿は、『プレジデントFamily2025冬号』の記事の一部を再編集したものです。
■渋谷教育学園幕張中学校・高等学校校長 田村聡明先生
地球儀と地図です。時や場所を超えてほしかったから
Q:子供に贈ったプレゼントは?
地球儀と地図を贈りました。
地球儀を回せば、世界を意識することができます。果ては宇宙まで意識を広げることも可能かもしれません。科学(サイエンス)もまた、天文学から始まりました。これまで人類が歩んできたさまざまな歴史的事柄に思いを馳せることは楽しいことです。
また、いろいろな地図を見れば、今とは違うことがたくさん発見できます。時代や社会、世界の変化に想像を膨らませることもできます。子供たちには、時や場所を超えて自由に、いろんなことを考えてみる時間を大切にしてほしいと思っています。
Q:プレゼントを選ぶときに心がけていること、ルールはありますか。
あまり「子供」に与える、ということを意識しないようにしています。子供だからこういうものを、とか、教育にいいからこれを、というのではなく、私自身がいいな、面白いなと感じたものを贈るようにしたいと心がけています。
面白いな、楽しいな、これは何だろう、といった刺激は、子供の心に影響を与え、好奇心を育む素地になるのではないでしょうか。
いろいろな刺激こそ、本校の理念でもある、自らの手で調べ、自らの頭で考えるという「自調自考」につながっていくと感じています。