大学生で初めてスマホを持った長男の進路先
子供らしく過ごせる環境を整えることは、これからの親の役割として、ますます大切になるだろうと思います。
息子は、ロードバイクがきっかけで機械いじりを始めて、技術系の道に進みました。娘は、ぬいぐるみに癒やされたことも多かったのでしょう。物を通して人とつながることがすてきだなという思いがあったようで、将来は、言葉や製品を通して、人と人をつなげる仕事を目指しているようです。
子供が欲しがるものには、その子の興味・関心が反映されています。そのプレゼントによって、自分の世界観をより深めて、やがて自分の進むべき道を見つけていく。2人を見ていると、つくづくそう感じます。
これからの時代は“違い”が大事になってきます。そこで重要なのは「自分の願いを持つ」こと。現状を鵜呑みにするのではなく、こんな社会になったらいいな、このような便利なものがあったら生活がすてきになるな、など、人の生活をよりよくするための創造力や構想力を持ち、膨らませることが大切だと思います。
将来なりたい自分なんて、明確なものでなくていい。ただ好きなことや好むものを、だんだん意識させていく。贈り物は、その絶好の機会といえるかもしれません。
ですから親御さんは、一線を守りながらも、基本的にはその子の欲しがるものを与えていいと思います。それが、その子の世界観を形成する手助けになるのはもちろん、要望にこたえてやると、子供は小さな成功体験を積むことができます。肯定された、認められたと感じることができるでしょう。そう考えると、プレゼントの積み重ねというのは、すごく大事ですね。
(構成=池田純子(星先生)、本誌編集部(田村先生) 撮影=遠藤素子(星先生))