枕を変えると、痛みにくい体になる
ここ最近、枕に悩んでいた。不覚にもゴミ屋敷の掃除(取材)で背中を痛めてしまい、起床後はなぜか首や肩まで痛くなる日々だった。これは枕が原因では?と思ったが、買う枕がどれもこれも合わない。家に4つ、5つ……と枕の数だけが増えていく。返品したものも含めれば、10個は購入したと思う。そんなとき、5年前に取材した山田朱織医師(16号整形外科院長)が、「良い枕の条件は、『ある程度の硬さ』『平面』『高さ』の3つ」と話していたことを思い出した。
山田医師の父親も整形外科医で、患者に手作りの枕を提供していたという。自らの意識が働かない「睡眠時の姿勢」には、枕が決め手になると考えていたからだ。
「幼い頃から父の診療所を遊び場にして育ったのですが、父のもとには、首の症状に悩む患者さんが大きな座布団やタオルケットを持参して通っていました。父はそれを使って枕の『高さ調節』をしていたんですね。私は高校生のとき、父と同じ整形外科医の道を歩むことを決断しましたが、当初は枕についてピンときていませんでした。それが医師になって自分が交通事故に遭って首を痛めたときに、父が枕を作ってくれて、その効果に驚いたんです。手放せなかった湿布や痛みどめの薬が枕でいらなくなってすごい、と。枕を変えて睡眠時の姿勢が良くなると、“痛みにくい体”になるのです」(山田医師)
山田医師は2002年、肩こりや頭痛に悩む患者に適切な枕を指導する「枕外来」をスタート。翌年の03年には「整形外科枕」を開発し、商品化した。そこで私も今回、公式サイトで整形外科枕を購入したのだが、これまでずっと軟らかい枕に親しんできたためか「硬すぎる」と感じた。まるで石の上に寝ているようなのだ。一晩、二晩と試しても違和感が消えない。山田医師に直接あれこれ聞くしかないと思い、自宅から片道2時間かけて山田医師が院長を務める16号整形外科に取材に行ったのだった。

