「英単語帳」を買うなら、「問題集」も買う
効率的な勉強には「インプット」と「アウトプット」の両方が重要です。もし問題を解いていて、「これ、理解があやふやだから解けていないな」という範囲にあたったら、まずは「読む勉強」に戻って学習しなおす必要があります。
成績をあげるには「読む勉強」も「解く勉強」も両方必要なので、参考書もそれに応じた2種類が必要なのです。
ちなみに僕の周りの東大生は、受験生だった当時、例えば英単語の勉強をするときには「英単語帳」のほかに、その単語を覚えられたかどうかチェックするための「問題集」もセットで買っているケースが多かったです。「英単語の勉強だから、英単語帳の本を買っておけば十分」とは考えず、アウトプットの重要性もちゃんと理解して行動した結果なのだと思います。
「覚える」ためのインプット用の参考書と、「覚えたものを使う、訓練する」アウトプット用の参考書は別のものとして認識し、それぞれ買うことをおすすめします。
「読み比べ」で理解度を高める
3 インプットのための参考書も、「2冊」買う
さて、インプットのための参考書に関して補足すると、インプット用の参考書は2種類以上使うと良いとお伝えしています。1冊だけの説明を学ぶだけでは、情報がうまく理解できていない可能性があるからです。
同じ内容について語っていたとしても、説明の仕方は参考書によって多種多様で、微妙に書いていることが違ってきます。例えば、中学社会の参考書で「豊臣秀吉の刀狩」について解説しているページがあったとします。例えば参考書が2冊あれば、以下のように書かれている場合があります。(いずれも筆者作成)
参考書1 刀狩は、武士以外の身分の僧侶や農民から刀をはじめとする武器を没収した政策であり、一揆を抑制し農民を土地に縛り付けるために行われたとされている。
参考書2 武士が農民を支配する社会を作るための政策として、豊臣秀吉は農民から刀や槍を取り上げる「刀狩」を行った。
どうでしょうか? 同じようなことが書いてありますが、実は2つの文を読み比べると見えてくることがあります。
例えば、「刀狩の目的」について、参考書1では「一揆の抑制と土地への縛り付け」と書いてあります。対して参考書2では、「武士が農民を支配する社会を作るため」と書いてあります。
実はこれは一緒のことを指しているのですが、二つの解説を繋げて考えると「目的」がよりわかりやすくなります。「刀を没収することで、農民の一揆の抑制と土地への縛り付けを行って、武士が農民を支配する社会を作ること」が目的だったのだとわかります。