明暗分かれたアベノマスクと百合子マスク
新型コロナウイルスとの厳しい戦いのなかにある今、2人の政治家の布マスクが注目を集めている。一方は安倍晋三内閣総理大臣の「アベノマスク」、もう一方は小池百合子東京都知事の「百合子マスク」だ。安倍首相が身につけ全世帯に配布しようとしている「アベノマスク」が批判と揶揄の的となっている一方で、小池都知事が会見などの際に着用している「百合子マスク」は好意的に受け入れられ、注目を集めているようだ。
新型コロナウイルスの感染者数が増えるにつれ、予防のためのマスクは生活必需品になってきた。しかし需要の急増に供給が追いつかず、使い捨てマスクはなかなか手に入らない状況が続いているのが実情だ。
すでにマスクの品薄が問題となっていた2月12日の会見では菅義偉官房長官が「来週以降、毎週1億枚以上、供給できる見通し」と発言。3月15日にはマスクの高値転売が禁止され、3月17日には菅官房長官は「月6億枚超が確保される」とコメントした。しかし、いまだ流通の正常化には程遠く、まずは医療物資としての供給が急がれる事態のなかでサージカルマスクを業務上必要としない一般人には、使い捨てではない布製のマスクを使うことも求められている。
いわばその先陣を切るようにして使い回しのできる布マスクを使っている政治的リーダーが安倍首相と小池都知事だといえるが、なぜ「アベノマスク」が揶揄される一方で、「百合子マスク」は人気を集めているのか。