国を挙げて増産しているはずなのに、買えないマスク

マスク不足が一向に解消されない異常事態が続いています。異業種であるシャープ、トヨタ、日清紡HD、ヘリオスTH、DMMなどが次々とマスクの生産に参入し、全国マスク工業会によると店舗への入荷も増えているといいます。

2020年4月4日、マスクを購入するために列を作る人々
写真=iStock.com/Sergio Yoneda
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しかし、依然としてマスク不足は解消されません。増産されているはずのマスクは一体、どこに消えてしまっているのでしょうか? 多くの人が持つこの疑問を考えていきます。

少し前まで、マスク不足の原因となっていたのは転売屋の存在でした。

筆者の知人にせどり(転売)を個人ビジネスにしている人物がおり、聞いた話では転売規制が入る前にフリマアプリで転売をしたところ、マスク単体で月商2000万円にもなったといっていました。通常価格でマスクを仕入れて、フリマアプリで高値販売する行為は健全な市場流通性に悪影響を与えるとして、厳しく規制されました。しかしながら、小売事業者の高額販売は規制対象から外れており、依然として高値で取引されています。楽天市場や、アマゾンなどの通販サイトでは、一枚数十円のマスクが、100円以上の価格で売られており、依然として消費者にとっては「普通の価格で気軽に買う」ことが難しい状況が続いています。