強制力ない自粛で未知のウイルスと闘う安倍晋三
新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、世界各地で国境封鎖や外出禁止令などの強硬な措置がとられる中、日本は強制力のない“自粛”によって「未知のウイルス」を封じ込めようとしている。安倍晋三総理は、人と人との接触を削減する目標を掲げるが、携帯電話などのデータから分析される人出は、残念ながら目標値には届いていない。緊急事態宣言の発令から2週間が経過した今、多くの国民が抱く不安は「このまま目標が達成できなければ、ズルズルと“緊急事態”が延長されていくのではないか」というものだろう。長期戦も口にし始めた総理に対しては、より強力な対策を視野に入れるべきとの声も強まっている。
「人と人との接触機会を最低7割、極力8割削減できれば、2週間後には感染者の増加をピークアウトさせ、減少に転じさせることができる」。緊急事態宣言を発令した4月7日、安倍総理はこのように削減方針を打ち出し、5月6日までの宣言期間中の外出自粛を要請した。東京都や大阪府など大都市圏のオフィス街の人出は大幅に減少し、週末の外出を控える人も目立つが、東京近郊の県など地域によっては減少幅が小さく、そのハードルの高さを感じさせている。