「嫌な人ほど、お元気で、さようなら」というふうに、恨み、許せない相手を許し、手放しましょう。ステップ1と2で書き出した内容を振り返ることで、不愉快な相手にこだわることのむなしさに気づくはずです。人に対してつまらない態度を取ることしかできない相手の人格を許し、あなたの中にあるネガティブな感情を手放しましょう。
あなたが許し、手放したとしても、相手の嫌な態度は変わらないかもしれません。ふたたびいら立ち、恨みや怒りの感情が湧き出すこともあるでしょう。
許し、手放すと健康になる
ステップ1~4をくり返すことで、ネガティブな感情に対処してください。嫌な相手が目の前から消えていなくなるわけではありません。また、嫌な相手を記憶から抹消することでもありません。今後、そういった別の人物に遭遇したときの自分の反応を変えるのが「REACHメソッド」の狙いです。
ちなみに、恨みや怒りの感情にとらわれている状態と、許し、手放した後の健康状態を比較した研究によると、後者はストレス症状を改善させ、血圧を下げ、免疫力を上げ、睡眠の質の向上に貢献、心と体の健康レベルを確実に高めてくれるということがわかっています。
一度手放したあともまた、恨み、許せないという気持ちが生じそうになったら、次の質問を自分に投げかけてみてください。
「執着することで、自分は幸せなの?」
「ネガティブな感情に引っ張られる状態は、自分に合っているの?」
たったこれだけでも、スーッと心の重荷が取れるはずです。
このメソッドは、最初は10分程度時間がかかると思いますが、慣れてしまえば、2回目からは1分でもできるようになります。思いどおりにならない他人のせいで自己肯定感を下げるのはもったいない。どんどん消化して、先に進む習慣をつけましょう。
※本稿は、中島輝『1分自己肯定感』(マガジンハウス)の一部を再編集したものです。