お亡くなりだと2千万~4千万円

世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス。2020年2月初頭、外国人乗客の中に感染者が確認された豪華クルーズ船ダイヤモンド・プリンセスでは、長い期間、船上で乗客の隔離が続いた。

乗客は「事実上の拘束下で恐怖感が相当期間与え続けられた」ことなどを根拠に慰謝料を請求できる。
乗客は「事実上の拘束下で恐怖感が相当期間与え続けられた」ことなどを根拠に慰謝料を請求できる。(時事通信フォト=写真)

ダイヤモンド・プリンセスを巡っては、20年1月25日に香港で下船した80代男性の新型コロナウイルスの感染が20年2月1日に発覚。共同通信は、乗客の話として「クルーズ船内では3日午後6時半ごろになって初めて、感染者情報がアナウンスされた。感染した男性が使ったとされるサウナやレストランは通常通り営業し、大半の人がマスクをしていなかった」と報じている。

厚生労働省が感染拡大を抑制するため、乗客全員を自室での待機とするなどの防止策を講じたのは5日の朝からだ。19日から検査で陰性だった乗客らの下船が始まった。しかし陰性で下船した乗客も、その後の再検査で陽性になるなど、混乱は続いた。報道によれば、日本環境感染学会の専門家はパーティー・ビュッフェでの乗客交流や乗員サービス提供などが感染を広げた可能性を指摘している。

数十万円以上の渡航費を支払い、夢のクルーズに乗船した人たちは、下船後も不安な日々を過ごしている。そんな“精神的被害”を受けた乗客は、泣き寝入りするしかないのか。