中国・武漢で発生し感染拡大が続いている新型肺炎。日本では安倍政権が水際対策を断行しているが、問題なのはその法的根拠が曖昧なこと。次のステップで取るべき措置は何か。橋下徹氏が緊急提言する。プレジデント社の公式メールマガジン「橋下徹の『問題解決の授業』」(2月11日配信)から抜粋記事をお届けします。
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安倍さんの政治決断は評価するが……
安倍政権が政治判断で、強い制圧対策に出ていることは前号のメルマガで述べた。
今政府がやっている感染地域からの入国拒否や、感染者が存在するクルーズ船の中に「感染していない者」までも閉じ込めたり、チャーター便で帰国した日本人を特定施設に滞在させたりすることは、まったく法律の根拠がない。
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もちろん、日本国民の安全を守るために、安倍政権が政治決断によって、法律の根拠があいまいな中で制圧対策をとったことは評価する。安倍さんは政府内で、反対の声を浴びただろうが、そこは政治の力で押し切った。
これは言うは易し、行うは難しである。
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安倍さんの政治決断は評価する。しかしこのままでは危険だ。今は法律がなくても政府は何でもできてしまう、何でもありの状態になっており、それを正す必要がある。