国会で提出する法案は「過去最少」の52本に
今年の通常国会が1月20日に開会した。150日間の会期が終わるのは6月17日。その翌日には東京都知事選(7月5日に投開票)が始まる。このため政府は、会期の延長は難しいと判断し、提出する法案を過去最少の52本に絞り込んだ。
開会日の20日には、衆参両院の本会議でそれぞれ40分間ずつ、安倍首相の施政方針演説が行われた。安倍首相は東京オリンピック・パラリンピックについて「世界中に感動を与える最高の大会にする」と述べ、「国民とともに新しい時代を切り拓く」とした。
しかし、私物化が問題視されている「桜を見る会」や、IR(統合型リゾート)事業をめぐる汚職事件、安倍首相が任命した元閣僚の辞任問題については、一切ふれなかった。
これは「安倍1強」の驕りだろう。呆れてしまう。政治とは国民のためにあるということを忘れてはいないか。安倍首相は私たち国民を愚弄している。
野党からは「(桜を見る会などの)問題について何ら謝罪も言及もないのは、あまりにも不誠実で国民をバカにしていると言わざるを得ない。国家社会のあり方についての何らのビジョンも感じられない」(立憲民主党の福山哲郎幹事長)、「桜の『さ』の字もない。安倍首相の責任が問われているにもかかわらず、その自覚がまったくない」(共産党の志位和夫委員長)といった批判の声が上がった。
与党からも「触れなかったのは首相の判断だが、自分であれば違う判断をする」(自民党の石破茂元幹事長)、「国会のスタートは波乱含みだ。桜を見る会の問題に国民は十分な説明が尽くされてないと感じている。IRの汚職事件にも国民の厳しい視線を感じざるを得ない」(公明党の山口那津男代表)という厳しい見方が出ている。