令和2年が明けた。安倍晋三首相は、2012年暮れに首相官邸に返り咲いてから7年間で最大のピンチにある。その原因は「桜」と「IR」だけではない。最大の問題は、石破茂氏を敵視し過ぎたことで、党内を分断してしまっていることだ――。
問わず語りに4人の「ポスト安倍候補」をあげたが…
安倍晋三首相は昨年末、テレビ東京、テレビ朝日のインタビューに応じ、2020年以降の政局見通しについて語った。注目されるのは「ポスト安倍」の行方だった。
安倍氏は27日に収録したテレビ東京のインタビューでは二階俊博党幹事長らからラブコールを受けている自身の総裁4選について「全く考えていない。光栄なことだが、自民党は人材の宝庫です」と完全否定してみせた。
ここまではいつものことだが、この後、問わず語りに4人の「ポスト安倍候補」の名をあげている。少し長いが簡単に紹介しよう。
「岸田文雄党政調会長は外相として経験を積んだ。オバマ(前米)大統領の広島訪問においては、実現に向けて大変な努力をしていただいた。岸田氏は大変誠実な人だ。相手を尊重する人なので一緒にいると居心地がいいと感じる人も多い。ジョンソン英首相も会うといつも『フミオは元気か』という。2人でウイスキーをがっつり飲みあったことがあるらしい」
「茂木敏充外相も外相として、日米貿易担当大臣として、立ち回りを演じながら成果を出してくれた」
「菅義偉官房長官も、日米のさまざまな懸案で交渉した経験がある」
「加藤勝信厚労相も私の下で官房副長官としてさまざまな外交交渉の現場にも立ち会った」